新中学1年生の皆さん。中学校入学おめでとうございます。少し大きめの新しい制服に袖を通し,少しの緊張と大きな期待を胸に入学式を向かえたことと思います。「これから勉強や部活動に頑張るぞ!」という気持ちをお持ちの皆さんも多いと思います。
しかし,小学校の頃とは違う様々な変化に困惑してしまう方も多いのが現状です。
「中学校に入ってから急に勉強が苦手になった・・」
「小学校ではテストで毎回90点以上とれていたのに中学校では50点しかとれなくなった・・」
この様々な変化にうまく対応できずに放置しておくと,「成績不振」や「無気力」,「不登校」などの原因となってしまいます。
そこで今回は,様々な学習環境の変化にうまく対応するコツを皆さんにお伝えしたいと思います。
・変化その1 ~復習をしない授業~
小学校の授業は「三段階授業」といって,まず授業の始めに,前の授業で習った内容の復習(確認)をしてから,新しい内容に入り,授業の終わりには次の授業の予習(準備)がありました。
それが学習内容が多くなる中学校では,授業中に予習・復習を行うと教科書内容が終わらなくなるため,常に「新しい内容」の授業を行います。生徒の理解度に関係なく先へ進んでしまう為,自宅学習や塾など,授業外での予習・復習(特に復習)が絶対的に必要となります。
・変化その2 ~本格的な英語学習~
小学校でも英語は教科としてありましたが,目的は英語に慣れるという要素が強く,単語や文法などの本格的な学習はあまりありませんでした。これが中学校になると,学問としての英語が本格的にスタートします。
令和3年度から,新しい学習指導要領によって中学校の教科書が大きく改訂されました。その中でも,一番の大きな変化が「英語」です。覚える単語数がこれまでの約2倍となり,文法もこれまでは高校で習っていた内容が中学校で学習するようにもなりました。また,小学校で学習した英単語・文法は全て理解している前提で教科書が構成されているため,小学校で習った単語や文法が理解できないまま中学校に入ると1学期の早い段階から英語でつまずいてしまいます。
さらに,英語は積み重ねの教科です。1年の発展的内容を2年で学習します。1年の内容が不安定なまま進級すると,2年の内容は全くわからなくなってしまいます。
・変化その3 ~教科ごとに担当の先生が変わる~
小学校では,音楽などの一部教科を例外として,基本的には担任の先生が全教科の授業を行います。教科の授業はもちろんのこと,朝礼や昼食の時間も担任の先生と一緒に過ごします。それが一転,中学校になると教科ごとに担当の先生が変わります。
小学校のメリットとしては,ひとりの先生がほぼ全ての授業を担当するため,生徒ひとり一人と密接な関係を築きやすく,生徒の習熟度を把握しやすいです。また,生徒も授業の中で疑問に思ったことやわからないところなどを質問しやすいことが挙げられます。
一方,中学校のメリットとしては,教科的に専門的な知識を持った先生が授業を行いますので,より質の高い授業を行うことができます。また,一人の生徒の学習面に対して,小学校よりも多くの先生がサポートすることが挙げられます。
今回は,授業における小学校と中学校の違いを説明しましたが,次回はテストについて小学校と中学校の違いを説明しようと思います。
これを読んで,不安を感じた方も多いとは思いますが,小学校の感覚のまま中学校生活を送ると,色々と苦労してしまします。待ち望んだ中学校生活を楽しく充実したものにするために,この内容が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。